“進化”する大麻の栽培技術 広がる「自己完結型」(産経新聞)

 大麻栽培の摘発が急増している。インターネットで種子が取引され、栽培方法などの情報もあふれ、個人が自宅で容易に栽培できるためだ。吸引者の間では、幻覚成分が維持するように大麻草を育てる“クローン技術”なども浸透しているとされ、捜査当局は関係者情報を精査しながら監視の目を強めている。

 ■新タイプの種子も

 「大麻の種を販売するオンラインショップ」「全商品セール中」。インターネットでは大麻の種子の販売情報が簡単に手に入る。「当店の大麻の種はすべて正規品」と、種子の売買が合法であるかのように思わせるサイトもある。

 いずれも10粒で6千〜2万円程度。種の原産国や品種はさまざま。数量や届け先、支払い方法などを打ち込めば簡単に入手できる。

 大麻草は、受粉前の雌株にできる花房に幻覚成分(THC)が最も多く含まれるとされる。そのため、雌株だけを発芽させる「フェミナイズド」と呼ばれるタイプの種子も開発され、高値取引されている。

 熊本市内の自宅で大麻草を栽培したとして逮捕された吉田薫容疑者(25)は、雄株だけを窓際に切り離して置いており、「雌株の受粉の時期を調整しようとした」と供述した。フェミナイズドと同様の効果が得られる大麻を、自ら育てようとしたとみられる。

 ■市販の道具で

 建設作業員をしながら妻と子の3人で暮らしていた吉田容疑者。数年前からインターネットなどで栽培方法を調べ、栽培の試行錯誤を繰り返していたという。

 植え付けから収穫までをイラストや写真入りで解説した本も市販され、室内栽培に必要な照明灯や送風機、温度計などはホームセンターで手に入る。大麻草は屋外では年1回しか収穫できないが、温度調整をした室内で育てれば、年間を通じて何度も植え付けと収穫が可能になるという。

 最近は「元の株と同じ幻覚成分が維持できる」として、茎を切り取って別の鉢に挿し木する「クローニング」と呼ばれる技術も拡大。捜査関係者は「収穫された種は元の株と比べると少しずつ幻覚成分が薄まるため、クローニングで株を増やそうとするのだろう」と分析する。

 ■栽培摘発2倍に

 大麻は、種子の所持そのものが規制されているわけではないが、大麻取締法では研究目的などにより「大麻取扱者」の免許を持つ者以外の栽培を禁止。種子の海外からの輸入は外為法などの法令で、発芽しないよう処理することが義務づけられており、発芽する種子の販売や購入は栽培の幇助(ほうじょ)罪や予備罪にあたる可能性が高い。

 厚生労働省によると、不法所持などの大麻事犯の摘発は平成16年の2312人から20年は2867人に増加。このうち栽培での摘発はほぼ倍増しており、21年は250人(暫定値)にのぼるとみられる。脱法種子の流通と栽培情報の蔓延(まんえん)が原因のようだ。

 ネットで種を入手して大麻を自分で育てて使用する“自己完結型”の栽培が広がっているとみられるが、捜査関係者は「種の流通ルートの洗い出しなどから必ず足がつく」と、栽培者のあぶり出しに全力を挙げる構えだ。

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